ひとびと

上司はどうやって自分を見てくれる? ~雑談に隠された真意とは~

どんな上司と働くの?

池ちゃん
マルイの縁側読者の皆さまこんにちは!マルイの縁側編集部の池ちゃんとトゥミです!
突然ですが、皆さん入社後どのような上司のもとで働くのか気になりませんか?
トゥミ
私も入社するまでは上司とどんなかかわりがあるのか、どんな風に自分を見てくれるのか想像がつきませんでした。
池ちゃん
そこで、今回は丸井グループで働く上司の方はどのような考えで部下と接しているのか、実際に私の上司にインタビューをして聞いてみようと思います!
トゥミ
インタビューから「価値観のものさしは人によって違う」と柔軟に部下に接する上司のマネジメント論が見えました。 

上司にインタビュー!

自己開示からはじめるコミュニケーション

池ちゃん

谷内さんは、昼休憩や出勤後によくご自分のことを話していて、フレンドリーな印象なのですが、普段は部下とどんなコミュニケーションをとっていますか?

谷内さん

私自身はすごく人に興味があり、その人の仕事以外の部分や何に興味があるのかなどをなるべく知りたいって思っています。ただ、中にはあまり踏み込まないでほしい人もいると思うので、なるべく相手から話してもらえるようにしたいなとは思っています。だから自己開示を大切にしています。「私こんな人です」、「こんな趣味があります」、「休日はこうやって推し活をして過ごしています」ということを自分から言うことで、みんなも言ってきてくれたらいいなっていう風に思って、あえて言っています。

池ちゃん

普段のコミュニケーションがあるからこそ、いざ仕事で相談したい時や困った時は気軽に相談しやすいのかなと思います。

谷内さん

コミュニケーションをとることは大切にしています。過去のマネジメント経験を振り返っても、密にコミュニケーションをとれていたチームのほうが、仕事の相談も気軽にしてもらえていたと思います。 一方で、コミュニケーションをあまりとることができなかったチームでは、距離があり相談しにくかっただろうなという反省があります。 

本人の意思を尊重しつつも広い視野からアドバイス

仕事をする前の就活生としては、上司が自分の適性をどのように判断しているのか、仕事はどのような基準で割り振られるかが気になるところだと思います。  

谷内さん

やっぱり本人の適性はとても大事だと思っています。あと、何に興味があるのか、その人が将来何をやりたいのかはなるべく尊重した方がうまくいくと思います。このことを意識していますが、もちろん仕事なので100%本人の意思を尊重できるわけではありません。ですが、自分の経験上、全く役に立たない仕事ってないと思うんです。私も、広報をやって、店の改装をやって、人事課に行ってと一見すると脈絡のない異動をしているように見えると思います。でも、実はそれぞれの仕事が繋がっていて、「社内交渉する仕事」という意味では、求められるスキルは一緒だったりします。なので、なるべくその人が将来やりたいことに対して、実はこういう点で繋がっているんだよっていうのが示せたらいいなとは思っています。  

池ちゃん

いろんなご経験をしている部長の立場だからこそ、視野が広く、本人だけでは気が付かないようなところにも気が付けるのですね。 

導くのではなく伴走して寄り添う

池ちゃん

私が直近で、業務の相談を谷内さんにした際に、精神論的な励ましではなく、具体的な対処法を一緒に考えてくださったことが印象的でした。 谷内さんは部下の相談に乗る時に、心がけていることはありますか? 

谷内さん

3つあります。
①一度相談者の立場になること 
②自分に似た経験があれば、その話をすること
③自分の価値観だけで決めつけないこと

時代の流れや、自分のプライベートの状況によって、仕事観や働き方のペースの波は絶対にあると思います。

例えば子供がいる方の中にも、家庭に軸足を置きたい人もいれば、仕事に軸足を置きたい人もいます。正解は1つではないし、それを1つだという風にはしたくないです。なので、一度その人の立場に立つということを大事にしています。  

池ちゃん

正解がない中で、相手に寄り添って、その人にとっての正解を一緒に考えて探していくということですね。ただ、正解はないにしてもアドバイスする時に大事にしている軸はありますか? 

谷内さん

その人と向き合う時に、成果については正直あまり考えません。成果は自分が与えられたチームの中の合計値として出せばいいと考えているからです。だから個人と向き合う時は、今その人にとって何が1番大事なのかと、将来的に何をやりたいのかの2点を重視しています。 
例えば「今は体力的に辛いので、仕事面であまり負荷はかけたくない、でも将来的にはこんな仕事がしてみたい」という人がいたらその人の意思を尊重して、今はその人の負担を減らしつつ、「ある程度負荷がかかっても成果を出したい」と考えている人が頑張るのが良いと思います。そして、それぞれが将来やりたいことにつながる何かをつかんでもらうことが大事です。
そのためのチームなので、全員が等しい成果の量を出す必要はないかなって思っています。成果を出すこともちろん求められているし、マネジメントとして当たり前ですけど、それ以前に一人ひとりの人生や価値観の方が全然大事じゃないですか。自分は別に会社に命まで捧げる気はですし、それより自分の人生の方が大事だから、それぞれが、今自分のできる範囲でどれだけ貢献できるかという話だと思います。  

池ちゃん

チームの総和で成果を出すということですね。ただ、人って公平感に敏感だと思うんですね。例えば「忙しい人がいるから、ここの成果を他の人たちで出そう」といった時に、その他の人がどうしても、属性によって偏ってくるのではないかという意見もあると思います。そこで、偏りを生まないために意識していることはありますか? 

谷内さん

そうですね、あんまり属性だとかで決めつけないようにというのを意識しています。私が持っている尺度で、その人のプライベートの用事や、休む理由の重い、軽いを決めてはいけないんじゃないかと思っています。「子どもの運動会」も「パートナーとデート」も「アイドルのコンサートに行く」もそれぞれその人にとってはとても大事な用事じゃないですか。その重要さは他人には決められないと思うんです。 
それぞれの価値観があることを認識していれば、「今は仕事に全力になれない人」がいたとしても、理解できるのではないでしょうか。 

池ちゃん

なるほど。先ほどのその人が何を大事にしているのかを知るコミュニケーションの話にも繋がっていきますね。  

谷内さん

そうです。その人が持っている事情をどこまでみんなに言っていいかは、いろいろまた別の問題があると思いますが、極力みんなでカバーできるようにというのは、そのチーム内のコミュニケーションがきちんとできていれば多分理解できて、不公平だとはならないと思います。そして、長い目で見れば、今助けてあげる側の人が、いつか助けてもらう側になるかもしれないと前向きに考えられるのではないかと思います。 

最後に

谷内さんは積極的にコミュニケーションをとっているとのことでしたが、丸井グループでは部下と上司とのコミュニケーションの場として、業務時間内で1on1ミーティング(面談)を実施する制度を全社で取り入れています。 

皆同じものさしではなく、一人ひとりの価値観に合わせたサポートをしてくれる上司。何気ない雑談の中でも相手の価値観を引き出そうという真意があったのですね。 

記事作成者 池ちゃん
記事作成者 池ちゃん

記事を書いてみて
普段一緒に働いている上司との何気ない会話の裏にはこのようなお考えがあったのかと知れて興味深いインタビューでした。  実際に谷内さんはお会いすると気さくに話しかけてくださり、休みの日に行った旅行の話等たくさんしてくださいます。自己開示をすることでコミュニケーションをはじめ、そこから信頼関係を築き、結果的に成果につなげる、簡単そうに見えてとても難しいことだと思います。 1人でやる仕事はないので一緒に仕事をする人がどんな人なのかはすごく重要だと思います。どんなに自分のやりたかった仕事や目指していた業種だとしても一緒に働く人とうまくいかないとイキイキと働くことは難しいです。私が今の部署で楽しく仕事ができているのは上司の方をはじめとする社員のみんなのおかげなのだなと改めて実感しました。 
記事作成者 とぅみ
記事作成者 とぅみ

記事を書いてみて
谷内さんのお話を聞いていて、上司としっかり話ができることは、働く中で大切なことだなと感じました。丸井Gでは1on1面談という、上司と部下が一対一で話すタイミングが月に一回あります。私は今回の1on1面談で、自分の今の悩み(今の自分の仕事の能力に自信がないこと)を相談しました。上司が、精神的な励ましだけでなく、自分の経験を話してくれたり、今の自信のない状態をどうしたら変えていけるかを一緒に考えてくれたりして、新たな発見や学びの場になりました。このように、上司とのコミュニケーションをとれる場が整っており(仕組みの充実)、その場でしっかり話を聞いてくれる上司がいる(上司の人柄)ため、定期的に自分を振り返りつつ、今の自分のキャパや状態を上司に伝え、自分がどうすべきか考えることができています。

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